ご予約・お問い合わせはこちら
089-998-3331
09:00~12:30/14:30~18:00
【休診日】
木曜・土曜午後、日曜・祝日
糖尿病治療
Diabetes treatment
糖尿病は自覚症状のない時期が長く、治療しないまま放置されるケースが多くみられます。
そのため、『糖尿病を見つけるための検査』や『糖尿病と診断された後も、定期的に状態を把握するための検査』はとても大切になります。
通院していても治療の効果を感じない。通院するのが難しくなってきた。などお困りやお悩みのことがありましたら、ご相談ください。問題を解決して、無理なく自分のペースで治療を進めていきましょう。
糖尿病とは
糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリン(糖を運ぶホルモン)の量や作用が低下し、身体のエネルギー源となるブドウ糖を体内に取り込めなくなり、血液中のブドウ糖の濃度(血糖)が高くなってしまう病気です。
血糖の糖度が高い状態(高血糖)が何年も続いてしまうと、血管に負担をかけることになり、将来的に動脈硬化、網膜症、神経障害、腎症、失明、心臓病、足の切断など様々な合併症を引き起こします。
糖尿病には代表的なものとして大きく4つに分けることができ、それによって糖尿病になる原因も違います。
日本での糖尿病の95%以上は「2型糖尿病」とされていますが、それ以外にもさまざまな原因で糖尿病を発症します。よく糖尿病を引き起こす要因として「肥満」が一番に挙げられますが、痩せている方でも糖尿病になることはよくあります。
今では日本人の国民病とも呼べる病気になっています。
糖尿病を調べるためには?
代表的な検査は血液の検査で、血液中のブドウ糖(血糖)がどれくらいあるのかを調べます。食事によって、血糖値は上がったり下がったりするため、食事前の「空腹時血糖値」や一定量のブドウ糖を水にとかしたものを飲み、その後血糖値がどう変化するかを調べる「75g経口ドウ糖負荷試験」、そして食事の時間を考えないで測定する「随時血糖値」があります。
糖尿病がわかるきっかけは健康診断の血液検査のほかにもあります。
例えば
-
献血に行ったら糖尿病の疑いと言われた
-
高血糖の症状がでた
-
糖尿病の合併症がわかった時に、初めて糖尿病を指摘された
-
妊娠をした時に高血糖が見つかった
など
定期的な健康診断やセルフチェックにより、糖尿病を早く見つけて、からだに悪い影響を及ぼす前に生活習慣の改善や治療をするのが理想です。
糖尿病の種類
1型糖尿病
1型糖尿病はすい臓がインスリンをほとんど、またはまったく作ることができない糖尿病です。
そのため、インスリンを注射しなければなりませんが、糖尿病の患者さまのうち、1型糖尿病は10人に1人もいません。幼児から10代の発症が多いですが、成人以降でも発症する場合があります。
1型糖尿病の原因
1型糖尿病の原因は正確にはわかっていませんが、関係する因子としてあげられるのは次の2つです。
-
1型糖尿病にかかりやすい体質を持っている。
-
何らかの原因により、インスリンを作っているすい臓の一部が破壊される。
若い方の糖尿病では1型糖尿病が多いですが、年齢に関係なく発症が見られます。
1型糖尿病の主な症状
1型糖尿病の症状は突然あらわれることが多いです。
◇自覚症状の例
-
普段よりのどが渇く
-
頻尿
-
1日3食食べても急激な体重減少
-
疲れがひどい など
上記に一つでも当てはまる場合や、日常生活で気になっていることなどがございましたら一度当院にご相談ください。
2型糖尿病
2型糖尿病はインスリン分泌不全とインスリン抵抗性による糖尿病です。
この2型糖尿病は最も一般的な糖尿病で、10人に9人以上はこのタイプです。中高年で発症する方が多いですが、若年層の発症も増えています。
2型糖尿病の原因
2型糖尿病は次のような人に起こりやすいといわれています。
-
40歳以上の人
-
太りすぎの人
-
家族に糖尿病の患者がいる
-
著しい運動不足
2型糖尿病の発病は遺伝性による場合があるため、上にあげた症状のうち、あてはまるご家族(父母、兄弟姉妹、子ども)には糖尿病の検査をおすすめします。
2型糖尿病の主な症状
2型糖尿病は、初期の段階では自覚症状がないことが多く、非常にゆっくり、少しずつ症状があらわれることが特徴です。
◇自覚症状の例
-
疲労感
-
皮膚が乾燥して痒い
-
手足の感覚が低下する、または、チクチク刺すような痛みがある
-
感染症によくかかる
-
頻尿
-
目がかすむ
-
切り傷やその他の皮膚の傷が治りにくい
-
空腹感やのどの渇きがひどくなる など
上記に一つでも当てはまる場合や、日常生活で気になっていることなどがございましたら一度当院にご相談ください。
その他の特定の機序、疾患によるもの
遺伝子異常や、様々な病気、薬によるものなど、その他の原因によって発症します。
A. 遺伝因子として遺伝子異常が固定されたもの
-
膵β細胞機能にかかわる遺伝子異常
-
インスリン作用の伝達機構にかかわる遺伝子異常
B. 他の疾患、条件に伴うもの
-
膵外分泌疾患
-
内分泌疾患
-
肝疾患
-
薬剤や化学物質によるもの
-
感染症
-
免疫機序によるまれな病態
-
その他の遺伝的症候群で糖尿病を伴うことの多いもの
妊娠糖尿病
妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて診断された糖尿病にいたっていない高血糖のことをいいます。
高血糖は赤ちゃんの状態にも影響を及ぼすことがあるため、細やかな管理が必要です。
また、妊娠糖尿病になったことがある方は将来の糖尿病になるリスクが高くなるといわれています。
糖尿病の治療は、良好な血糖コントロールを行うことで、合併症の発症や進行を防ぎ、健康な人と変わらない日常生活や寿命を確保することが目的です。
治療のためには、生活習慣病の改善と、個人個人に適した治療法の選択、血糖コントロールだけでなく、血圧、脂質なども含めた全身の管理とご家族の協力が大切です。
糖尿病の治療法としては、大きく分けて3つがあります。
食事療法
食事療法とは、患者ごとに決められた1日のエネルギー量(カロリー)に食事を制限する療法です。1日の摂取エネルギー量は「理想体重×30kcal」で、年齢、標準体重、運動量(労働)などを参考に決定します。
高齢者(65歳以上)は状態やBMI値により理想体重を「身長×身長×22~25kcal」に設定します。また肥満の強い人は理想体重を「理想体重×25kcal」にすることもあり、身体活動レベルの強い人は理想体重を「理想体重×35kcal以上」にするなど、個別にその人に適したカロリーに設定します。
また、食事以外にもアルコールや間食なども制限されます。
糖尿病用のエネルギー量を制限した食事を「糖尿病食」といい、健康食としても知られています。軽い糖尿病は食事療法で軽快にすることが多く、基本となる治療法です。
薬物療法
糖尿病の90%以上を占める2型糖尿病の治療の原則は食事、運動療法です。
残念ながら糖尿病を完治させる薬物は今の所ありません。食事、運動療法で十分コントロールできないときは薬物療法を併用します。薬物には経口血糖降下薬(7種類)と注射製剤(インスリンとGLP-1作動薬)があります。最初は経口薬から始める事が多いです。
薬剤の選択は患者様の体格、年齢、生活習慣、肥満の有無、活動強度、併存疾患(心臓病、腎臓病など)の有無によってその人に1番適した薬剤を選ぶ必要があります。
現在最も使われているのはDPP-4阻害薬(インクレチン関連薬)であとはメトホルミン、最近注目されているSGLT-2阻害薬などがあります。
いずれにしても食事療法を避けて通ることはできませんが、食事療法を守る事が1番の難題です。
糖尿病を予防するために
糖尿病を予防するために普段から食事や運動に気を付けることが大切です。
また、そのほかにも気を付けていただきたいことがあります。
ストレスをためない
ストレスと糖尿病は関連しています。
人間はストレスを受けると血糖値が急激に上昇するそうです。
これは、ストレスに対抗する準備として、筋肉を最大限に
働かせるために、エネルギー源となる大量のブドウ糖が血中に放出されるからです。
血糖値を上げるよう働きかけるのが、アドレナリンやノルアドレナリン、コルチゾルというホルモンで、インスリンの動きを弱める作用があるといわれています。
ストレスをそのまま放置すれば、インスリンが十分に働かない状態が続いていることになりますので、ストレスをためないようにしましょう。
十分な睡眠をとる
近年、睡眠と糖尿病の関連が指摘されています。
糖尿病にかぎらず、睡眠は1日の疲れをリセットさせ、心身を健やかに保つための重要な役割を担っています。
忙しい中でもゆっくりと眠る時間をあえてとるなど、十分な睡眠をとるように心がけることが大切です。